さんかくの部屋

アニメ、ゲーム、ミステリ感想、二次創作多めの雑多ブログです。最近は、まどか☆マギカ、マギアレコードばっかりですがよろしくです。

暁美ほむらについて(思ったこと徒然)

 【前置き】

 叛逆の物語を観てSSを書き始め、かれこれ7年になる小生。数字にすると「長いなあおい!」と思われそうですが(もちろん数字では長いですが)、好きで書いているものだから実質体感7か月くらいで(笑)長いどころかめちゃくちゃ短い、むしろこの早い年月の流れが怖い今日この頃。アクエリオン的にいえば小生あと200万年くらいはまどマギSS書いていたいですほんと。

 さてさて、そのまどマギ(マギレコ)のSSですが主に(というか最初はそれが目的で)書いているのがほむさや(暁美ほむら美樹さやかの組合せ)SSです。これはしょっぱなから「10年後」設定を持ってきて書きました。なんといっても彼女達の10年後が見たい!という気持ちからでだいぶ二人の関係性にほれ込みました。そして更に深堀りすれば、悪魔になった時のほむらの様子に心を奪われたからです。

 そのきっかけは、これはTwitterでは何度か呟いていますが、ラスト近く美樹さやかとの近距離対峙シーン。そしてその後の「すべての魔獣が滅んだらそれもいいかもね」という台詞のほむらの映像(桜の舞い散る中ティルトダウン(カメラワーク)する)とその直後の目のUPです。設定では可愛らしい丸っこい目だというのに、あのシーンではリアルな人間の目(アーモンド形)が徐々に見開かれていったので、その美しさにはっとすると同時に怖さも覚えました。その時「このひとこれからどうなるんだろう?」とまるですぐ近くに存在するひとの様に感情移入してしまい、気づけば暁美ほむらという人物に夢中になっていました。

 話が少し逸れますが、私のこの「今いない」人物にのめりこむ傾向は大学の専攻が影響していると思っています。当時国文学科で作品の登場人物をまるで今隣で存在するように感じるためにその作者の歴史や作品、手紙、他者の批評等々文献を読み漁り、作中の人物像をより鮮明に想像するという行為に没頭していました。コンテンツは違いますが作品の中の人物に没頭するのは似ていると思います。

 さて閑話休題、それから彼女達(ほむら、さやか)に夢中になりSSを書き続けているわけですが、先日絵師さんの素晴らしいほむらの二次創作を読み、その作品に圧倒され改めてほむらを見つ直そうと思い、珈琲を飲みながら暁美ほむらという人物について深く考えました。彼女の行動や台詞、外見etc…からどういう思考を持ってそしてどんな性質なのか等々…(美樹さやかはまた別の機会に)もちろんリアルな人間と同じで己が己をよく知っているとは限らないし、他人の見た自分と自分から見た自分も違う。あるいは人によってそのひとの人物像は違うなんてこともあるように、人物像に正解なんてない。ただそのひとを「想う」気持ちから生まれた印象だと思っています。だからこれは叛逆の物語でドハマりした一オタクの小生が思う暁美ほむらについて徒然と書いたものですのでご了承ください。

 

【印象と本質】 

まず14歳という思春期にある「必死さ」や「純粋さ」これはまどマギ初見時登場人物全員に感じましたが、ほむらが一番突出していたというか、とても尖っている感じがしました。でも冷たいってわけでなく、何か隠しているような。すげー美人(さやか談)で、勉強もできて運動もできる謎の少女。魔女との戦闘ではクールに独りで倒すカッコよさ。でも限りなく冷徹(なふり)。だけど10話のメガほむを見たとき「ああ~なるほど」と思いました。あのおどおどした雰囲気あれこそ彼女の本質だったんだと。おどおどして口下手なところが寡黙に繋がって、気の優しさが責任感に繋がっている。メガほむの「優しい」「気の弱い」「穏やか」「口下手」さが、クーほむの「責任感がある」「自分を許さない」「冷静」「寡黙」に繋がっており、二面性というよりも正確にはメガほむのそれが本質であり、そこから発展していったのだと。

もっと言えば「時」が彼女を強くした(表面上は変えた)と思います。誰でも時を経て変化していきますが、時間遡行者の彼女にとっては何度でも繰り返された分更に。そして悲しいですが、仲間との「すれ違い」も彼女に影響を与えた。(これについてはもうね、致し方ないというか、誰が悪いとかそういう問題ではないです)とても純粋な少女はその心をひた隠しにして切羽詰まった状態でなお冷静さを装って戦ってきました、ぎりぎりの状態で。普通なら妥協したり逃げ道を作る所をそれをせず出口のない状態でもがいている。寡黙で、冷静で一見何を考えているのかわからないが、実は誰よりも『純粋過ぎ』て『不器用』(※ほむらがさやかに向かって言い放つ言葉でもありますが、それについては思うところがあるので後日書きます)それが暁美ほむらの本質なのかなあと思っています。

また、更にいえば、本当に痛々しいくらい己を助けない。むしろ己を責める責める責めまくる内罰的自己犠牲精神の持ち主。なんでここまでする?と思うくらいのもので。幸せと不幸せの道があれば自ら不幸せな道を進んで選んでしまうような、出口があっても自らそこを塞ぐような、そんな怖いくらい不器用な純粋さで。

叛逆での魔女化ではそんな彼女の本質を表している様なシーンがあって鳥肌が立ちました。地面に落ちて溶けていくまどかや相殺し合うほむら等々…。その後一旦ハッピー(?)エンド的な展開になりますが、その後今度は悪魔化します。当時は衝撃過ぎて何も考えられませんでしたが、今思えばああ、そうなるなあと納得できるようになりました。彼女の想いは誰よりも純粋過ぎてまっすぐで不器用過ぎたから。まどかに再び人間としての生を歩んでもらおうと思った時点でもう決まっていたのかもしれません。彼女はその後、悪魔になり、世界を改変します。ただ悪魔と言ってもそれは自称で、悪魔(の様な)力や外見を持っただけの純粋な少女だと私は考えてます。(自嘲的にそう言ったのかと)もちろんあの「愛よ」から生まれた強大なエネルギーは一体…?という疑問も残りますし、今後彼女はあの世界をどうやっていくつもりなのかという謎も残りますが、そこは全て語られずに終わっているので、ここから後は続編が出てくるまではそれぞれの解釈や想像にまかせるのかなあと思っています。

 

【悲劇】

たぶんにほむら達の迎えた悲劇は「すれ違い」にあったと思います。口下手、言葉足らず、タイミング等によるすれ違い。それによって魔法少女の真実は最悪のタイミングで明かされ、どんなに周回を繰り返しても悲劇が繰り返される。心を開こうにも、時間遡行者のほむらにとって、皆、同じ人物であってそうではない。独りだけどこか遠いところに置き去りにされたようなそんな感覚で心を閉ざしていったのかもしれない。もし誰か一人でもほむらの語る真実に耳を傾けようとしたら、あなたの友人はまどかだけではないと気づかせてくれたなら、そしてほむらもまた自ら心を開こうとしていたなら、たくさんのifがあったはずなのに、どれもすれ違ってしまった。悲劇としかいえません。(マギレコはまた別の世界線で、本編では見られなかった救いもあり必見です)

 

【ifのif大人ほむら】

そんな悪魔ほむらの10年後を私は二次創作で想像しました。出口を自ら塞ぐ、不幸せな結末を自ら選ぶ、そんな痛ましいほど不器用で純粋な少女が悪魔の力を得て改変された世界で生き続け、10年経って大人の女性になっていたら。年月の力で精神的にも成長し、余裕が出てきた場合、彼女はどのような性質になっているのか。自分の置かれた状況に対しても冗談が言えるようになっているか。外見はどのようになっているのかetc,etc...。この作業は非常に楽しく、大人ほむらに関するメモは今でも大量に残っています。それをそのまま載せるのもあれですので、略しますが、今まで言及していなかった容姿についてもだいぶ考えました。本編でもそうですが、彼女の純粋さは繊細さにもつながっており、それは繊細な美しさとして容姿にも表れていると思っています。前述の美樹さやかの「すげー美人」はそのまま大人になった今でも当てはまる。そういう感覚でSSは書いています。だからうちの大人ほむらは恐ろしいくらい美人です。そして性質はクーほむの頃の性質を引き継いだ形にしています。純度の高い繊細さを心の奥にひた隠して、ただただ哲学的なまでにストイックで寡黙。大人になった故に自分の内面を冷静に見ることができる等々。更に対立していたさやかとの関係の変化などを含めると、ここでは書ききれない量になるので、それはまた別の機会に。ただこのように10年後の成長した人物を想像して楽しめるのも、そのオリジナルの世界観や人物像がしっかりと練りこまれているからだと思っています。

 

【終わりに】

ここまでいろいろ徒然と書いてきましたが、振り返ってみて、じゃあ暁美ほむらはどんな人物なのか、と自分なりにまとめてみたら、一言ではうまくいかない。私の好きなクーほむならば「律儀」「ストイック」「寡黙」と任侠ものの人物の様な言葉で言い表すのだが、彼女はそれだけではないからだ。その根っこにあるのはとても繊細な純粋さで。そして悲しいまでに逃げ道を知らない自ら出口を塞ぐような少女。少女を理解した者は誰もが放っておけないと思うのだろう。だが差し伸べられた手も彼女は拒むような、そんな気がする。いつかはそういう生き方を自ら破る事ができたらとそう思わずにはいられない。私にとっては暁美ほむらとは「放っておけない、不器用なまでに純粋な心の持ち主」である。

 

【余談】

ほんと色々書いてきましたが、まだまだもっと彼女達の二次創作を書きたいと思うし、他の方の二次創作もどんどん読んでいきたいと思っています。とにかくほむらという人物が好きで、そしてさやかとの関係性も好きで書いていきたいという思いが強い。言葉を並べてもうまく伝えられるか自信はないのですが、「好き」という思いがSSの原動力になっていて、あとはそれをもうとにかく書くしかないなあと。そして最初に書いたとおり「このひとこれからどうなるんだろう」と悪魔ほむらを見た瞬間思ったあの気持ち、あの気持ちを持ち続けて大人ほむらの今後を書いていきたいと思います。

 

ではでは長々と書きましたが、ここまで読んでくれてありがとうございました。

 

 

さんかく